![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
(写真左2013.10.23 撮影)道路脇側溝でうずくまっていた鴨を私の犬が見つけたので、保護施設へ運びました。専門の人のご説明では「この鳥は渡りですが、骨が折れたまま一年ほど過ごして衰弱したところです。痩せています。野生に戻れないので施設に収容します。」とのことでした。 この鳥は偶然によって保護されました。普通、野生の生物は自然の中で死んでしまいます。それが当たり前です。私は野生の生き物は触らぬようにしているのですが、このままでは車にはねられてしまう、今は繁殖期ではないので親鳥の可能性はないと考え、たすけてしまいました。 この写真を撮って施設を出ました。 (写真中央左)施設を出入りするときは、履物をお借りし、必ず消毒液を踏みます。写真は消毒液です。(写真中央右)24時間で地球が一周する腕時計 (写真右)デイビークロケット帽子、頭部分ラビット・尻尾アライグマ、カナダのおみやげ、狩猟場で被るのはやめましょうね。 |
私の目撃や記憶も記した偏りのある不完全な年表です。自宅蔵書や図書館で本をめくりめくり確かめましたが、亀石をはじめ不確定事項もあります。私が発見していないこともあります。鵜呑みにはしないでください。訂正することも予想しますのでコピーを禁じます。 著作権に対する私の考えは「HOME・カメと犬の交差点」末尾に記しております。補足及び私見は年表の末、参考資料はこのページ末尾に記述します。
年表を作成しようと思うに至った理由を書きます。現在(2013)はカメの飼育書も増えインターネットで各家で飼育されているカメの様子も知ることができます。 一方、野生のカメの様子を一般公開する例は極めて稀です。人の手で捕獲されやすいカメは乱獲者の犠牲になり自分たちの生まれ育った土地から連れ去られてしまいます。 水生生物が減ったと年配者はいいます。しかし子供たちは過去と比較してどう自然が変化したか体感することはできません。私は過去の事を若い人たちに知ってもらいたいのです。 子供はおろか大人もカメ史に関心は持たないと思いますが、 外国人とカメについてお話する機会に、せめて日本のカメ史ぐらいは誇りをもって語れるようになりたいものです。未来を望むのなら過去をみつめることも重要です。 科学は進歩しますが、歴史はくり返します。 本来野生のカメが日本人とどう歴史を歩んできたかをつたないものではございますが、温故知新の精神で年表を作成しました。
古代から奈良時代 | 社会現象 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
---|---|---|---|---|---|---|
紀元前1500 | 自然崇拝・精霊信仰(アニミズム) | (文化)中国大陸にて甲骨文字初め | ||||
紀元前500 | 釈迦(565?〜478?) | (宗教)インドにて仏教起こる | ||||
BC/AC | (宗教)亀甲占い | |||||
紀元後538 | 仏教伝来 | (宗教・思想)須弥山図・易 | ||||
(宗教)高松塚古墳 キトラ古墳に玄武神描かれる | ||||||
(石造)飛鳥 亀石 | ||||||
(民俗)亀石にちなむ伝説 | ||||||
700頃 | 行基(668〜749)治水社会事業 | |||||
715(霊亀1) | 左京の人霊亀献上 | 白い亀が現れる | ||||
723(養老7)翌年神亀と改元 | 左京の人白亀献上 | またもや白い亀が現れる | ||||
729(神亀6.2) | 長屋王の変 | |||||
729(神亀6.8)天平と改元 | 瑞亀献上 | 天王貴平知百年の文字が甲羅にある亀が現れる | ||||
平安時代から室町時代 | 社会現象 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
1072(延久4) | 私に狩猟を禁ず | |||||
1125(天治2) | 殺生禁止令 | |||||
1130(大治5) | 私に狩猟を禁ず | (民俗)浦島太郎伝説※未確定事項、諸説有り | ||||
1140(保延5) | (戯画)「鳥獣戯画」作者未詳、一説鳥羽僧正覚猷 | |||||
1188(文治4) | 殺生を禁ず | |||||
1310 | 新古今和歌,藤原為家亀が鳴く和歌を詠む | 夫木和歌抄 | ||||
1378(天授4) | 犬追者大流行 | |||||
江戸時代 | 社会現象 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
江戸時代はじまる | 蛍・鳴く虫が一般に飼育され、虫売りが虫を販売 | (石碑)亀趺(きふ)がよく見られる | ||||
1685 (貞享2) | 生類憐れみの令 | |||||
1701 (元禄14) | 赤穂浪士討ち入りに水路利用 | |||||
1709 (宝永6) | 徳川綱吉1646〜1709没 | 生類憐れみの令廃止 | ||||
江戸にて鰻や亀の放流会ビジネス化 「江戸百景深川万年橋」参照 | (絵画)富岳三十六景図「隠田の水車」 葛飾北斎1760〜1849 | |||||
(絵画)「江戸百景深川萬年橋」歌川広重1797〜1858 | ||||||
(絵画)「亀喜妙々」歌川 国芳(1798〜1861) | ||||||
1803(享和3) | (絵画)「正面向亀図」酒井抱一 | |||||
(絵画)「群亀戯画」大西椿年 | ||||||
(絵画)「亀図」円山応挙 「亀」「狸」河鍋暁斎 | ||||||
明治から昭和 太平洋戦争まで | 社会現象 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
1873(明治6) | 鳥獣猟規則制定 | |||||
1892(明治25) | 狩猟規則 | |||||
1895(明治28) | 狩猟法 | |||||
1898(明治31) | 民法施行(現在第二章占有権第二節第195条に飼育動物の占有権について記述在り | |||||
1901(明治34) | (唱歌)「うさぎとかめ」 石原和三郎作詞 納所弁次郎作曲 | |||||
1905(明治38) | (明治〜昭和初)身近な生物の唱歌が多く見受けられる | ニホンオオカミ最後の一匹報告 原因ジステンパー及び乱獲 | 南方熊楠この頃カメを 40〜50匹飼育はじめる | |||
1911(大正1) | 公用水面埋立法施行 | (唱歌)「浦島太郎」 石原和三郎作詞 田村虎蔵作曲 | 南方熊楠クサガメ「お花」を八銭で買う | |||
1918(大正7) | 犬放し飼い(例)ハチ公 | 狩猟法改正 | 南方熊楠の家族によって「お花」「お菊」「太郎」「小太郎」と名づけられる | |||
1922(大正11) | ||||||
1928(昭和3) | 見島カメ生息地天然記念物指定 | |||||
1934(昭和9) | 日本野鳥の会創立 | |||||
1939(昭和14) | 「採集と飼育」創刊日本科学協会、採集と飼育の会著 | |||||
1941(昭和16) | 南方熊楠1867〜1941.12没 | |||||
昭和戦後 | 社会現象/私事 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
1950(昭和25) | 文化財保護法制定 | |||||
1951(昭和26) | 森林法施行 | |||||
1956(昭和31) | 海岸法施行 | |||||
1957(昭和32) | 自然公園法施行 | |||||
1962(昭和37) | 日本爬虫両棲類学会設立 | |||||
1963(昭和38) | 狩猟法が改正され鳥獣保護法となる | |||||
1965(昭和40) | 沖縄切手セマルハコガメ発行 | 河川法施行 | (特撮)「大怪獣ガメラ」 角川映画 | |||
1966(昭和41) | 姫路水族館設立 | 「日本の爬虫類」リチャード・コリス著小学館 | ||||
沖縄切手タイマイ、リュウキュウヤマガメ発行 | ||||||
1967(昭和42) | ミドリガメをペットショップでよく見かけるようになる | 大浜海岸ウミガメ及びその産卵地天然記念物指定 | ||||
1969(昭和44) | ペットショップでワニガメ(50p?)をこのサイトの管理者見る 仔ワニも見られるようになる | |||||
1970(昭和45) | 姫路市でペットのアライグマをこのサイトの管理者が目撃 | 日本野鳥の会財団化 | ||||
1971(昭和46) | 光化学スモッグ問題 デパートでヘビ展やペット展開催 | 「環境庁」設置。林野庁から鳥獣行政移管 | (国際)ラムサール条約制定 | 姫路市手柄山水族館8月よりミドリガメのサミール飼育始まる | ||
1972(昭和47) | 沖縄復帰 | 自然環境保全法施行 公有地の拡大の推進に関する法律施行 | ||||
ヤエヤマセマルハコガメ天然記念物指定 | ||||||
1973(昭和48) | 田んぼにカエルが当たり前のようにいた | 岡田 要1891.8〜1973.12没 | 自然環境保全法施行 | |||
1974(昭和49) | 動物の愛護及び管理に関する法律施行 | |||||
1975(昭和50) | 遺棄されるミドリガメが増加 | ミドリガメによるサルモネラ 発症事件大きく報道 | (国際)ラムサール条約発効 | |||
日本切手昔話シリーズカメと浦島太郎発行 | リュウキュウヤマガメ天然記念物指定 | |||||
(国際)絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約効力発生(ワシントン条約) | ||||||
1976(昭和51) | 日本切手自然保護シリーズ、リュウキュウヤマガメ発行 | |||||
1980(昭和55) | (国際)ラムサール条約ユネスコに日本加入申し込み発効 | |||||
(国際)ワシントン条約日本締約 | ||||||
御前崎のウミガメ及びその産卵地天然記念物指定 | ||||||
1984(昭和59) | CMのエリマキトカゲ話題 | |||||
1985(昭和60) | 昭和40年代より農薬問題 道路のアスファルト化 | (ゲーム)「スーパーマリオブラザース」発売 | ||||
1986(昭和61) | 昭和40年代より小川のコンクリート化開発 アスファルト化によって室内犬増加 | (漫画)「おぼっちゃまくん」 小林よしのり著 コロコロコミック連載 | 「かめのくらし」 増田戻樹著あかね書房 写真児童書 | |||
平成 | 社会現象/私事 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
1990(平成2)地球温暖化 | メダカの減少 | 日本ウミガメ協議会発足 | ミドリガメ症候群(シンドローム) 新井千裕著 扶桑社 | |||
カエルの減少 | 「採集と飼育」休刊 | |||||
1991(平成3) | 日本切手うさぎとかめ発行(原画星野富弘 ) | 「鳥獣保護法」改正 | (アニメ)ミュータントタートルズ アメリカ作品・日本にて放送 | 「呼べばくる亀 -亀、心理学に出会う」 中村陽吉誠信書房 | ||
1993(平成5) | 「種の保存法」制定 | |||||
「特殊鳥類法」「野生動植物譲渡規制法」廃止 | ||||||
絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律施行 | 「カメおもうゆえにカメあり」サノアツコフィールドワイ | |||||
環境基本法施行 生物の多様性に関する条約施行 | 「イシガメの里 わたしのワンダーみぢかな生きもの」松久保晃著小峰書店 | |||||
1994(平成6) | カエルツボカビ病日本侵入 | 石川氏著書にてカメコ紹介 | 「うちのカメ-オサムシの先生カメと暮らす」 石川良輔著八坂書房 | |||
1995(平成7) | カエルツボカビ病対策 | (漫画)「かめ!」ながいさわこ 週間モーニング連載 | ||||
1996(平成8) | 鳥インフルエンザが知られるようになる | 海洋生物資源の保存及び管理に関する法律施行 | 「ミドリガメの飼い方」樋口守著創芸社 | |||
「両生類・爬虫類のふしぎ」星野一三雄著ソフトバンククリエイティブ | ||||||
1997(平成9) | (アニメ)「ポケットモンスター」放送 | 「カメのすべて-カラー図鑑」高橋 泉著 成美堂出版 | ||||
1998(平成10) | インターネット一般に普及 | 日本カメ自然誌研究会設立 | 「カメのひみつ」宇田川葉子著ポプラ社 「かめものがたり」宮田保夫著成星出版 | |||
1999(平成11) | ダイオキシン類対策特別措置法 | 「ミドリガメ、ゼニガメの医・食・住」菅野 宏文(著)原 幸治(監) どうぶつ出版 | ||||
「こんなに簡単!ミドリガメ・ゼニガメの飼い方」霍野晋吉(著) | ||||||
「カメ 選び方育て方」安斉裕司著 狩野晋写真 学研パブリッシング発行 | ||||||
2000(平成12) | カミツキガメ遺棄増加 | 岡山のワニガメ愛好家遺棄カミツキガメを引き取り出す | (漫画)「動物のカメちゃん」 噌西けんじ 週間少年サンデー連載 | 「カメディカカメの家庭医学 」小家山仁著 アートヴィレッジ | ||
「こっちみんなよ!」千石正一著集英社 | ||||||
「カメラ」佐藤ヒデキ写真 リトルモア | ||||||
「クリーパー」創刊カメ専門寄稿安川雄一郎 | ||||||
2001(平成13) | 牛海綿状脳症騒動(牛) | 牛海綿状脳症感染確認(牛) | ヤコブ病訴訟東京地裁「国・企業に責任」判決(牛) | 「亀の古代学」千田稔・宇野隆夫編 東方出版 | ||
「かめくん」北野勇作著徳間デュアル文庫 | ||||||
2002(平成14) | 鳥獣保護法の大改正 | 南方熊楠のカメ「お花」2001.7没 | 「みどりがめゆうゆうのびっくりおさんぽ」 志茂田景樹・藤井景 志茂田景樹事務所 | |||
ゴミバケツで輸入された?台湾産のクサガメをこのサイトの管理者が目撃する | 「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」に名称変更 | クサガメ「お菊」「太郎」没 没年月不明資料未確認 | ||||
2003(平成15) | コイヘルペス流行(鯉) | 日本産最後のトキ没 | 自然再生推進法施行 | |||
2004(平成16) | 千石正一アライグマ被害講演をこのサイトの管理者が傍聴 | 和亀保護の会設立 | ||||
鳥インフルエンザ確認騒動 | ワニガメ生態研究所法人設立 | |||||
2005(平成17) | 鳥インフルエンザ東南アジア流行 | 特定非営利活動法人カメネットワークジャパン設立 | 「カメオドール」田村てまり 月刊「IKKI」連載 | 姫路手柄山水族館9月ミドリガメのサミール没 | 「カメ-育ててしらべる日本の生きものずかん6」矢部隆著集英社 | |
東京荒川野良ウサギ発生 | ||||||
2007(平成19) | 第1回アジア・太平洋水サミット大分県開催 | 「カメの来た道-甲羅に秘められた2億年の生命進化」 平山廉著NHKブックス | ||||
「オウエンとムゼイ」イザベラ・ハトコフ他著 NHK出版 | ||||||
2008(平成20) | 「生物多様性基本法」制定 | 前足欠損アカウミガメ保護 | ||||
2009(平成21) | 遺棄ワニガメ野生化 | 外来カメ駆除活動一般に知られる | 悠ちゃん人工ヒレ計画始まる | 「カメが好き! かめ亀KAME図鑑」みのじ著 | ||
2010(平成22)国際生物多様性年(国連) | 口蹄疫流行 | 須磨水族館亀楽園完成 | 「幸せなリクガメの育て方」田向陽一松橋利光著大泉書店 | |||
2011(平成23) | 「水棲ガメ」海老沼剛著誠文堂新光社 | |||||
2012(平成24) | このサイトの管理者の実家がアライグマ被害を受ける | 千石 正一1949〜2012没 | クサガメ「小太郎」生存? 資料未確認 | 「亀のひみつ」田中美穂著 WAVE出版 | ||
ニホンカワウソ絶滅種に指定、原因乱獲 | ガラパコス諸島ロンサムジョージ没1910?〜2012 | |||||
伊豆アンディランド閉鎖後 i Zoo再開園 | ||||||
2013(平成25) | お魚ポストカメ受け入れ中止・カメ飼い主探しを通じてカメ遺棄問題取り組み | 「カメ飼育ノート」大谷勉 川添宣広著誠文堂新光社 | ||||
環境省ミドリガメ輸入禁止を検討 | 「そのカメを、さらう」葵ささみ | |||||
2014(平成26) | 環境省ミドリガメ輸入禁止方針固める | |||||
2015(平成27) | ヤエヤマイシガメ輸出禁止方針 | |||||
2016(平成28) | ハナガメ特別外来生物指定10月1日施行→NEW! | |||||
社会現象/私事 | 事件・出来事 | 令・法律 | 文化 | カメの記録 | 出版物 |
まず最初に「亀の古代学」千田稔 宇野隆夫(編)をご紹介します。 資料が豊富です。年表にひとつひとつ載せたいところですが、私自身資料の確認ができていないので、省きました。
この年表をつくるにいたり、何冊か参考書を探しましたが、「亀甲占い」という言葉が見当たらず弱りました。 それもそのはず、現在の研究者は「亀卜(きぼく)」と表現されているようです。 「亀卜―歴史の地層に秘められたうらないの技をほりおこす」 東アジア恠異学会著が詳しいのでご紹介します。 また「亀の古代学」千田稔 宇野隆夫(編)で漢字伝来以前の神代文字(かみよもじ)が関係することを知りました。
約40年前の私は歴史で「きっこううらない」と教わりました。イメージは村の中にシャーマンの女性が居り、亀の甲羅を火にくべて割れ方で吉凶を占う。 時代が弥生時代になると卑弥呼というシャーマンが現れます。年表は現在の研究に習って亀卜と記するか、亀甲占いとするか迷いました。
カメ、あるいはカエルに似た謎の石です。
古代インド思想で亀の上に象がのっています。東京・深川の徳川家康像も亀の上にのっているデザインです。私はこの家康像を見た時、須弥山図を連想しました。
朝鮮古墳群も同じく北に玄武図を配置しています。渡来人と共に大陸文化が日本にやってきた事を知ることができます。 それにともなって古来日本に生息していなかった家畜たちも渡来してきました。
古墳に描かれている玄武は亀姿と蛇姿のペアで一つの伝説の獣です。
|
![]() |
![]() |
(写真)景福寺の亀扶(2014.12.7撮影) | (写真)景福寺山史跡保存会の説明 |
![]() |
(写真)イスラム圏インドネシアの牛2013.6撮影 |
渡来人が大陸文化を伝えると共に牛が飼育され牛乳が利用されました。牛乳利用の痕跡は後に史料から消えます。再び飲まれるようになるのは明治以降です。 奈良時代から平安時代、仏教が人気であった頃は殺生を禁じる発令が度々出ます。聖武天皇は狩り好きでしたので、 権力者が「狩りをしたいから民に獲物を横取りされたら嫌だ」という思惑もなきにしあらずですが(史料「日本霊異記」)、 江戸時代の生類憐れみの令は徳川綱吉の信仰心がきっかけです。それでも人間はタンパク質が必要ですので、動物を食べてしまいます。 日本人は仏教や神道の信仰心で過去殺生を嫌ってきました。それでは現代はどうでしょうか。「殺生をすると罰が当たる」という潜在意識もあるようですが、 現代の動物の愛護団体を見ておりますと信仰を述べる人はいません。アニメの影響が強いと私は考えます。彼らは鳥類や哺乳類といった見た目のかわいい動物の保護に努めています。 自然保護団体はどちらかというと理系頭脳でバクテリアたちも含めて自然のバランスを整えようと努めています。 だからといって現代日本人がまったく宗教観を失っているわけではありません。日本各地に動物供養塔・碑が多くあり、動物愛護週間に動物慰霊祭が行われます。
追記ですが、私の親戚に僧侶がおりまして、私が蛭を殺した話をすると「むごい」といいます。 この僧侶は動物愛護団体とまったく関係ない人ですが、動物をかわいがっています。この僧侶の飼っている兎は13才と聞いております。
1988年長屋王屋敷跡から多くの木簡が発見され、犬、馬の飼育動物がいたことがわかりました。乳牛から乳製品もつくっていました。飼育史として年表に書き加えました。
うさぎとカエルのすもうの絵は誰もがご存知ではないでしょうか。
社会が仏教や陰陽道に支配され殺生が忌み嫌われていた時代の中で描かれた絵巻物です。作者は未詳ですが、鳥羽僧正覚猷(とばそうじょうかくゆう)ではないかといわれます。
私はカメは描かれていないと思い込んでおりましたが、東京工芸大学今村先生から「カメも描かれています。」とご指摘をいただきました。絵巻物は火災でばらばらになりましたが、復元も試みられ、益田家旧蔵断簡にカメが描かれています。
このカメはくちばしがとがっているのが特徴で、復元された絵巻物のつながりではサルとウサギ、カエルがはしゃいでいるのをカメが木の陰からサギ、カエル、イヌ属の動物と一緒に見物しています。
滑稽な鳥羽絵が漫画の始まりとすると、このカメは日本最古、あるいは世界最古のカメのキャラクターといえましょう。
カメとは直接関係ないですが、落語や赤穂浪士の話を聞いておりますと、当時の江戸は水路が発達し、カメが住みやすい環境であったことが推測できます。江戸地図で亀住町等亀にちなむ地名をよく見受けます。
平安時代の鳥獣戯画の影響を受けた滑稽な絵を覚猷(かくゆう)にちなんで「鳥羽絵(とばえ)」と呼びます。
年表にはカメをモチーフにした絵画の名称を載せました。
例えば葛飾北斎の「隠田の水車小屋」ですが、カメを連れ歩いた少年が端っこにあります。少年の向きと反対を向くカメを北斎は描いています。
また、年表に載せていませんが、江戸時代、細密画の得意な絵描きが動物や植物を模写し、図鑑をつくりあげていきました。
欧米人が高く評価する江戸時代の日本絵画に描かれたカメを鑑賞しながら、江戸時代の人々がカメにどう接し、どのような感情をもっていたのか想像するのも楽しいものです。
ネットで販売されている本(2013年)を参考に抽出しました。 私は自分の知らない著書や執筆者の多さに驚き、どの本を年表に記載するか迷い困ってしまいました。私は未読ですので感想はのべませんが、子供向けから大人向け、初心者向け、マニア向け様々です。 人によって本の嗜好は違いますのでできるだけ多岐に渡り、そして多くの著者を記載することにしました。それでも載せきれませんでした。
カメに関する著作本は飼育本が多いです。野生のカメの生態を知らねばカメの飼育の本質はわからないのですが、野生のカメについて本にしてしまうと乱獲に行ってしまう人が出てくるので発刊できないのではないかと私は考えました。 乱獲者は野生のカメの生態を知りたい人にとって弊害です。
何やら平成生まれの亀愛好家なら「密猟者のガイドブック」ではないかと勘違いされそうなタイトルです。
ところがどっこい動物研究者が集まって寄稿なされている専門書です。
人の命が食料や武器より軽んじられていた時代を経ています。その頃は飼育動物は家畜であり、身の回りの生物は見過ごされていました。
しかしコンピュータゲームとかはなかったので、
子供たちが昆虫採集に夢中になった時代もありました。歴史の流れを感じ記載しました。
(詳細)著者 日本科学協会、採集と飼育の会、採集と飼育委員会編
休刊1945年3月〜12月、1962年8月〜12月
1巻1号(昭和14年1月)から52巻12号(1990年12月)以後休刊
出版社変遷:採集と飼育の会(1巻1号〜38巻3号)
領布者変遷:内田老鶴圃新社(1巻1号〜42巻3号)
注記:総索引1巻1号〜52巻12号:「採集と飼育総索引」日本科学協会の会編刊1991年
休刊されていたのは太平洋戦争末期から※終戦後混乱期初期、そして大学紛争の頃です。
※終戦後混乱期・・・ここでは捕虜たちがだいぶ戻り、行方不明者の生死が決定付けられた頃、あるいは東京裁判が終わる昭和23年末までと仮定します。
法律を調べているうちに私の六法全書に記載されていない法律があるのに気がつきました。そこで図書館で動物に関係するかなと思う法律を抜き出しました。 関係ない法律も書き込んでいるかも知れません。見落としや条約も考慮に入れますとパーフェクトではないです。 民法の動物占有権は何年からはじまったのか、ついにわからず、民法の制定された年に記述しました。訂正の可能性があります。 六法全書は単なる動物好きの私にとって読みづらい本です。しかし法律の専門家の人の中にも動物を理解するのがつらい人がいらっしゃるかも知れません。 私は過去にイルカとアザラシの違いを理解できない人に異なる点を説明しようとしたことがあります。 その人は法学部卒の人でした。説明しても人をからかっているのか理解できないので話をするのをやめました。私の小型犬が犬に見えない感覚と同じなのかも知れません。
鳥獣保護法は哺乳類と鳥類が対象です。爬虫類・両生類は含まれません。
南方熊楠の長女文枝さんによって「お花」「お菊」「太郎」「小太郎」と名付けられた4匹のカメについて。文枝さん2000.6没の後を追うように2001.7一匹の「お花」が死んでしまったといいます。残りは3匹ということになります。その後2匹亡くなくなり 私の記憶では最後に残ったのは「小太郎」であったと思います。小太郎は朝日デジタルの記事で飼育者への取材で「平成12.12に冬眠した」と記されております。その最後の一匹の小太郎も亡くなった?和歌山の地方紙に書いてあったような記憶が曖昧です。 また4匹の年齢も正確にわからない。現在の「小太郎」が南方熊楠が飼っていたものではなく、長女の文枝さんが育てたものなのか、「太郎」と「お菊」の仔なのか、まったく関係ないのか詳細は不明です。資料そのものを見つけることができなかったので年表は不明としました。
私は学生時代、南方熊楠の「十二支考」を読みました。ただ読んでいるだけで、凡人の私はまとめることはできませんでした。古代から人間と動物が深いかかわりをもっていることは理解できました。またいろいろな話を資料として収集することは大切です。 カメのことで今現在(2013)南方熊楠の名前に触れるとは思いもよらなかったです。遺産である膨大な資料をまとめようと残された人たちが努力されています。
私の幼少期の思い出です。それ以前にも爬虫類の輸入はあったことでしょう。幼少期の記憶ですが、50pぐらいのワニガメはガラス水槽に入って蓋もされていました。 売り物ではなくお店の見世物として長く飼われていたような気配でした。 仔ワニは子供たちが出入りしやすいお店にもたらいに入れられて売られていました。
台詞のないものを絵画とし、台詞のあるものを漫画に分類しました。ゲームやアニメの中にもカメをモチーフにしたキャラが主人公の仲間として登場します。 (例)スーパーマリオブラザース・ポケットモンスター、 多くの子供たちがカメに好感をもっていることを伺い知ることができます。 漫画やアニメ、ゲームは現実にありえない仮想世界を楽しむものであって、「現実」と「空想」の判別のつかない人・ユーモアの通じない人には私はおすすめしません。
カメは敵役ですが、親しみのあるキャラとして表現されています。
お金持ちの少年を描いた子供向けギャグ漫画です。主人公の少年はカメと暮らしています。宝島社「間取りは語る」の解説によれば、おぼっちゃまくんの豪邸の敷地はカメの形をしており、邸宅のまん中に池があり亀島があるということです。子供たちはカメが大好きだということで年表にとりあげました。
子供向けアニメです。アメリカのペットのカメが忍者のミュータントになり悪と闘います。ヒーローの勧善懲悪・アメリカンジョークはもちろんですが、 私は当時アメリカ人の「カメ」「忍者」の発想に驚きました。子供たちはカメの要素よりも忍者の要素に魅せられたようです。 日本史や武士道を学んでいる人の忍者の解釈から見ましてアメリカ人の忍者の表現は違和感を感じますが、アメリカ人から見たカメ・忍者・日本として参考資料になり楽しめます。 我が家にたまたまカウボーイスタイルのフィギュアがございますので写真を載せます。後ろ姿をご覧あれ。なんと亀の特徴である甲羅がお洋服で隠れてしまっています。 口にくわえているのはタバコではなくキャンデーのようです。箱はなしメーカー不明。
![]() |
![]() |
![]() |
(写真)正面 | (写真)後ろ姿 | (写真)横姿 |
大人向けほのぼの漫画です。大人はカメに癒しを求めます。少年向けメディアに登場するカメたちがカメの本分を離れ過激な行動をする事に比べ大人しい作品です。
|
![]() |
![]() |
(写真)正面 | (写真)後ろ姿 |
少年向けギャグ漫画です。主人公のカメちゃんが周りの人や動物を翻弄します。 前半はカメの自己中心的な本能をかなり擬人化させており、 後半はカメというより宇宙人のようにふるまいます。
野生の黒メダカをみかけなくなりました。コンクリートの小川にはメダカが卵を産む藻がはえません。 水の浅い田んぼだとゆだってしまうので田んぼでは卵をうみません。水が絶えず流れているところにいます。 平成20年ごろメダカブームが起こりましたが、その時はもうヒメダカやペット用に改良されたメダカを飼う人が多かったようです。 カダヤシをメダカと間違って採集している人も見かけました。 | ![]() (写真)ヒメダカ |
年表の中にカエルや鯉、牛等、動物の病気を記述しています。
ホームレスの飼っていたウサギが繁殖したもの。土手に穴を開ける事で問題視されました。ペットショップで売られているミニウサギは成長すると大きくなり捨ててしまう人がいます。この頃私の知人(荒川区あたりの人)は河川敷でウサギを拾いペットにしました。「ホームレスが飼っていたウサギですか?」と尋ねると「違う」と答えられました。ニュースで報じられていた以外にも野良ウサギがいたとのことです。
ミニウサギという名称が販売しやすくする俗称ならミドリガメ・ゼニガメも俗称です。俗称での販売がペット遺棄の一因と考え年表に加えました。
日本の出来事ではないですが、あまりにも憐れなカメですので年表にのせました。ガラパコス諸島ピンタ島のゾウガメです。生年月日が不明なため正確な年齢がわからないです。カメ全体の課題ですが、野生のものを保護・捕獲しますので、カメの生年月日は不明になります。このことがカメの寿命を知るハードルになっています。
アライグマ被害は平成16年千石正一先生の講演会で知り、平成24年に自分の実家が被害にあいました。村の中には「かわいい」という人もおり、行政に駆除依頼をしづらいのが現状です。 狭い村ですので「あの人が依頼した」と殺生が罪悪のようにいわれるのを恐れて消極的になってしまうようです。また、行政区域内でもっと酷い深刻な被害を受けている人たちもおり、 そちら優先で駆除の罠が足りないとのことです。アライグマはキツネやタヌキと違って手先が器用で家屋や物を壊し、農作物を少しずつかじっては放り出し収穫物を全部荒らします。 熟していない作物もかじったり、むしったりします。イヌも恐れず凶暴です。断末魔を最後にいなくなったネコもいます。睡蓮鉢で飼育していたメダカはいなくなってしまいました。そして アライグマが現れてから地域の水生動物を見かけなくなったとのことです。アライグマが川を漁っている様子が目撃されています。壊れた家屋は直せますが(自費)、失われた日本古来生物の貴重な命は戻りません。 警告をくださった千石先生に追悼と敬意の心で生没年を記載しました。
※追記(H14.9)、アライグマがアパートの3階?で鍵のかかった鳥カゴを開けようとしていた話を確認しようと実家に電話した折、さらに「マンションの8階のベランダにもよじのぼっていた」という話も聞きました。 高層住宅にて、ベランダに物を置いている方、 幼な子さんを育てている方もアライグマ目撃の通報にご協力いただければありがたいです。
インターネットで両生類と爬虫類の研究・保護団体の存在を知り、年表に是非載せたいと思いました。
「日本史年表・地図」 吉川弘文館
「日本の伝記 聖武天皇」P60 集英社 学習漫画
『「鳥獣戯画」を読み解く-戯画の重層性、および「遊び」について- 』今村みゑ子
『Reading Chouju Giga:On Multiplicity of the Caricatures and "Play" 』Imamura Mieko
東京工芸大学芸術学部紀要 Vol.11(2005)別刷
「間取りは語る」宝島社
「六法全書」有斐閣 平成25年版
「亀の碑と正統 領域国家の正統主張と複数の東アジア冊封体制観」 平勢隆朗著
「亀卜―歴史の地層に秘められたうらないの技をほりおこす」 東アジア恠異学会
「亀の古代学」千田稔 宇野隆夫(編)
「シートン動物誌5」Ernest Thompson Seton著 今泉吉晴監訳 紀伊国屋書店 ※アライグマの生態
「亀松NET」※インターネット内資料 亀の史跡
(ページ末)
Copyright (©) cyabane.mila All rights reserved.